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【フォーマットあり】衛生委員会「議事録」の書き方・保管や周知の義務について解説

(更新:2025/12/05)

サンポナビ編集部

衛生委員会を開催・実施した後は、議事録を作成する必要があります。そして、作成した議事録は適切に周知・保管することもルールとして定められています。

 

本記事では、衛生委員会の基本的な事項をはじめ「適切な議事録の取り扱い方法」と作成者の負担を減らす「議事録フォーマット(テンプレート)の紹介」について紹介しています。

 

 

\\衛生委員会議事録フォーマット//

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衛生委員会の目的

 

衛生委員会の実施目的は、従業員の健康確保

常時50人以上の労働者を使用する事業場は、労働安全衛生法第18条に基づき、衛生委員会の設置と毎月1回以上の開催が義務づけられています。

 

衛生委員会の目的は、労働者の健康障害を防止し、健康の保持増進を図るための重要事項について、労使が一体となって調査審議し、事業者の施策に意見を述べることです。

 

衛生委員会の議事録作成と保管の義務

 

労基署立ち入りの際、必ず確認されるのが「衛生委員会の議事録」

衛生委員会を開催したら「議事録」を作成することが労働安全衛生規則により義務付けられています。

 

議事録を作成することは職場の健康課題の把握にもつながり、適切な産業保健活動には欠かせないものです。

 

それだけでなく、労働基準監督署の立ち入り検査(臨検)があった場合には、必ず衛生委員会の議事録がチェックされることになりますので、議事録はしっかり作成しましょう。

 

 

衛生委員会の議事録の保管期間は「3年間」

衛生委員会の議事録は、適切に作成したうえで「3年間」保管しておくことが義務付けられています。

 

なお、議事録は電子データとして保管しておくことも可能です。

 

 

衛生委員会の議事録の「周知」も義務

衛生委員会で審議した内容については、開催のつど、遅滞なく必ず従業員に周知しましょう。

 

周知方法については、以下のいずれかで行います。

 

・事業場の見やすい場所に掲示または備え付ける。

・従業員に書面を交付する。

・社内イントラネットや社内メールなど、電子データとして記録し、各事業場で従業員がいつでも確認できる機器を設置する。

 

 

衛生委員会「議事録」の主な記載事項

続いて衛生委員会の議事録の書き方を解説します。議事録には、事業場における現状を記載することと、衛生委員会で討議した内容等を記載しましょう。

 

〈基本項目の例〉

 

  • 議事録記入者
  • 開催日/開催場所
  • 出席者の名前と役職 等

 

委員会が「毎月1回以上」開催されている事実を証明するために開催日を記載しましょう。

また、法に定められた構成メンバー(議長、産業医、衛生管理者、労働者委員など)が適切に参加していることを示すために役職の記載が必要です。

 

 

〈事業場の状況に関する項目例〉

 

  • 長時間労働者数(45時間/80時間/100時間超)
  • 前月休職者数
  • 前月労働災害発生件数
  • 通常健診受診率
  • 安全衛生パトロール報告
  • 各部門のリスクアセスメント活動報告 等

 

〈産業医からのコメントおよび審議事項等の例〉

 

  • 審議項目
  • 改善項目
  • 産業医講話
  • 次回の申し送り事項 等

 

委員会で話し合った措置の内容を記録し、次月以降の取組を明確にしましょう。

 

議事録を作成する時のポイント

 

意見と決定事項の区別

参加者の発言を羅列するのではなく、「委員会としての意見」を集約し、それを事業者が「決定事項」としてどのように受け止め、「措置」を講じるのかを区別して記載しましょう。

 

 

労働者への周知を意識した表現

議事録は全労働者への周知が義務付けられています。専門用語を避け、誰が読んでも理解できるように簡潔かつ正確に記載しましょう。

 

 

情報開示の可否の明確化

個人情報(例:休職者の氏名や詳細な病状)は記載せず、匿名化します。また、周知の際に開示して良い部分不可な部分を意識して作成しましょう。

 

 

衛生委員会の議事録に産業医の署名・押印は必要?

 

産業医の署名・押印は法律上の義務ではありませんが、議事録の信頼性を高めるために署名・押印を求めることが推奨されます。

 

例えば、労働基準監督署の監査や、労働災害発生時の調査が入った場合、議事録に産業医の署名・押印があることで、

 

産業医と連携して安全な職場づくりに取り組んでいる=「安全配慮義務を果たしている」という証明になる場合があります。

 

 

衛生委員会の議事録を作成・保管・周知しなかった場合の罰則は?

 

労働安全衛生法上の直接的な罰則(罰金や懲役)は設けられていません。

 

しかし、罰則がないからといって怠って良いわけではありません。

 

前提として、衛生委員会自体の設置義務(常時50人以上の事業場)を果たさなかった場合は、50万円以下の罰金に処せられる可能性があります(労働安全衛生法第120条)。

 

議事録の不備は、この「委員会が適切に機能しているか」を判断する重要な手がかりとなるため、実質的には法令遵守の観点から必須の業務です。

 

 

衛生委員会「議事録フォーマット(テンプレート)」はある?

厚生労働省が「このフォーマットを使わなければならない」と指定している公式のテンプレートは、存在しません。

 

ですので、社内で自作したものを使用することも出来ますし、インターネット上でダウンロードできるフォーマット(テンプレート)をダウンロードして使うこともOKです。

 

ただし、フォーマットをダウンロードして使う際には、記入事項が適切なものを選択することが大切になります。

 

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