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2025/03/13 (更新:2025/03/13)
産業医のスポット契約は、必要時のみ業務を依頼できる契約形態です。
「産業医の選任をしていないが面談対応が必要になった」
「自社の産業医が多忙で対応範囲が限られている」などの悩みに対応できます。
本記事では、産業医のスポット契約について、活用方法や費用相場、具体的な探し方までを解説しています。自社に適切な産業医との契約形態にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次 [非表示]
産業医のスポット契約とは、必要なタイミングのみ産業医と契約し、業務を依頼できる形態です。産業医の契約形態としては、スポット契約の他に、嘱託産業医と専属産業医の3種類があります。
契約形態 | 勤務形態 | 選任義務がある事業場規模 |
嘱託産業医 | 非常勤(月1回程度) | 従業員50人~999人 |
専属産業医 | 常勤(週3~5日) | 従業員1,000人~ |
スポット契約 | 必要時のみ | 規定なし |
「現行の産業医制度の概要等」(厚生労働省)を編集して作成
他の契約形態との違いに触れつつ、スポット産業医の活用方法や対応範囲について解説します。
スポット産業医の活用方法は、主に以下の2つです。
1.産業医の選任義務はないが、医師による面接指導が必要になった
常時雇用する従業員が50人未満で、産業医の選任義務がない企業での活用です。例えば、自社に産業医がいないが、長時間労働者や高ストレス者など、医師による面接指導が必要になった場合の対応として、スポットで産業医に依頼することができます。
2.すでに産業医選任をしているが、一時的に産業医の数を増やしたい
健診後やストレスチェック実施後など、産業医1名では業務が回らず、一時的に産業医の数を増やしたい時にもスポット契約がおすすめです。
選任している産業医がメンタルヘルスの知見がなく、メンタルヘルス不調者の対応に困っている時なども活用することができます。
スポット産業医には、面接指導や健康診断後の対応などの基本的な産業医業務を依頼できます。特に、健康診断後の就業判定は、従業員50人未満の事業場でも実施義務があるため、スポット産業医の活用が有効です。
一方で、職場巡視や衛生委員会の参加など、継続的な活動が必要な業務は嘱託産業医との契約が望ましいでしょう。同じ産業医が定期的に関与することで、企業の実情を踏まえた対策を行いやすくなります。
スポット産業医が対応できる業務範囲は、専属や嘱託産業医と変わりませんが、実効性を含めて依頼する範囲を決めるとよいでしょう。
スポット契約は産業医選任の要件を満たさないため、選任義務のある事業場では嘱託や専属の産業医が必要です。
常時50~999人の事業場では嘱託産業医または専属産業医1名以上、常時1,000人~3000人の事業場では1名以上の専属産業医、常時3001人以上の事業場では2名以上の専属産業医の選任が求められます。また、有害業務に常時500名以上の労働者を従事させる事業場においても1名以上の専属産業医選任が必要です。
産業医の選任を行わずに労働基準監督署への届け出をしなかった場合、50万円以下の罰金が課せられる恐れがあります。選任義務のある事業場では必ず産業医を選任しましょう。
スポット契約の費用は、依頼業務や面談時間、地域によって異なりますが、60分3万円程度が目安です。紹介会社によっては、面談内容によって費用が異なるケースもあるので、よく比較検討をしましょう。
産業医とスポット契約をすることで、以下のようなメリットがあります。
スポット契約では、産業医の対応を要する問題が発生したときだけ依頼できるため、最小限の費用で対応ができます。
また、紹介会社によって異なりますが、初期費用なしで導入可能なサービスが多いため、予算が限られている場合でも活用しやすい契約形態だといえます。
自社のニーズに沿って必要なタイミングで産業医を活用できます。例えば、新規事業がスタートして一時的に長時間労働が増加した場合、面談対応を増やして不調を予防することが可能です。
また、女性特有の健康課題や、発達障害傾向のある従業員の支援など、専門的な対応が必要な場合にも、紹介会社によっては専門の知見がある産業医を紹介してくれるケースもあります。
適切なタイミングで産業医面談を行えることから、メンタルヘルス不調の予防や早期対応が可能になります。面接指導をスムーズに実施することで、不調のサインを確実にキャッチし、重症化する前に対応ができます。
また、面談結果から従業員が抱える悩みや職場環境の課題が明確になり、従業員が働きやすい環境づくりにもつながるでしょう。
自社のニーズに合わせた活用ができるスポット契約ですが、契約の際には以下の点に注意をしましょう。
スポット契約で複数回依頼する場合、依頼のタイミングやスケジュールにより、異なる産業医が担当することがあります。そのため、従業員の状況や職場環境などの背景情報を都度伝える必要が生じ、人事労務担当者の負担になるでしょう。
産業医面談を受ける従業員も、毎回対応する産業医が変われば信頼関係の構築がしにくく、安心して話しにくい可能性があります。
毎月定期的に業務を依頼する場合には、スポット契約の方が割高になるケースもあります。
面談時間や対応人数、依頼したい期間を想定し、スポット契約と嘱託契約のどちらが適しているかを検討してみましょう。
健康診断やストレスチェックの事後措置など、一時的に産業医が必要になった場合の探し方は以下の3つです。
従業員50人未満の事業場では、地域産業保健センターの利用が可能です。産業医による面接指導や健康診断後の事後措置、ストレスチェックなどのスポット対応が可能です。全国の都道府県に設置されており、地域の産業医による支援を無料で受けられます。ただし、年間の利用回数には上限があります。
産業医紹介サービスでは、企業の状況やニーズに応じた産業医を紹介してくれます。事務的な手続きまでをサポートしてもらえるため、担当者の負担軽減につながります。
依頼内容によっては嘱託産業医を新たに選任した方がコストが抑えられるケースもあるため、自社に最適な契約形態をよく検討しましょう。
産業医とのオンライン面談サービスの活用もおすすめです。急な面談が必要になった場合でも、システム上でスムーズに日程調整ができ、迅速に対応可能なサービスもあります。
面談の実施だけでなく、面談内容の共有や企業へのフィードバックがあるサービスがおすすめです。
株式会社エムステージでは、産業医や保健師、心理職といった専門職のオンライン相談サービス「Sanpo保健室」をご提供しています。
「面談を行いたいのに対応できる産業医がいない…」「突発的に面談対応の必要が生じたけど、定期訪問日まで時間がある…」などのお悩みに、最短2営業日後に面談実施が可能です。
面談内容や企業へのアドバイスが面談報告書として共有されるので、面談をして終わりではなく、職場環境改善などの継続的なアプローチにつなげることが可能です。
産業医のほか、保健師や心理職も対応可能で、休職中の経過フォローや健診後の保健指導としても活用できます。
ご相談は無料で受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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