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小さな会社に健康診断の実施義務はある?中小企業の産業医選任についても解説!

2023/09/29 (更新:2024/11/11)

サンポナビ編集部

どんなに小さな会社であっても、必ず健康診断を実施する必要があります。産業医の選任については、50人未満の企業には努力義務が課されます。

 

健康診断や産業医の設置については、企業規模によって条件が異なる項目もあるため、わかりづらいと感じる担当者も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、従業員数50人未満の小さな会社の担当者が知っておくべき、健康診断や産業医に関する情報を解説します。

 

健康診断は小さな会社でも実施する必要がある

 

 

健康診断は企業規模に限らず実施が義務付けられているため、小さな会社でも健康診断を実施する必要があります。その反面、報告の義務については企業規模によって異なります。

 

他にも、健康診断の種類や受けるべき従業員の条件、罰則などについてさまざまな取り決めがあるので、正しく理解しておきましょう。

 

 

健康診断の報告義務がある場合

定期健康診断は、小さな会社でも毎年1回実施する必要がありますが、従業員が50人に満たなければ報告する必要がありません。一方で、常時50人以上の従業員が働いている事業場であれば、『定期健康診断結果報告書』を所轄労働基準監督署に提出する義務があります。

 

また特定業務従事者の健康診断は企業規模の大小に関係なく、半年に1回実施する必要がありますが、定期健康診断と同様に従業員が50人に満たなければ、報告の義務はありません。特定業務従事者の健康診断とは、坑内労働や深夜業などの有害業務に従事する労働者に対して行われる健康診断です。

 

 

会社が費用を負担すべき健康診断の種類

会社規模に関係なく次の健康診断については、会社が費用を負担する必要があります。

 

  • 雇入れ時の健康診断
  • 一般健康診断
  • 特定業務従事者への健康診断

 

どんなに小さな会社でも、従業員が1人いれば全額を負担します。

 

 

健康診断を受けるべきパートやアルバイトの条件

健康診断を受けるべきパートやアルバイトの条件は、企業規模の大小に関係なく、次のとおりに定められています。

 

  • 1年以上働いているパートやアルバイト(特定業務従事者として6か月以上働いているパートやアルバイト)
  • 同じ業務に携わる正社員の1週間の所定労働時間の4分の3以上働いているパートやアルバイト(4分の3未満の労働時間で働くパートやアルバイトに対しても健康診断の実施が望ましい)

 

以上の両方を満たす場合は、パートやアルバイトにも健康診断を受けさせる義務があります。

 

従業員が健康診断を受けなかった場合の罰則

従業員が健康診断を受けなかった場合には、50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。また健康診断の未記録や未報告にも、同様の罰金が課されるため、違反をしないように注意しましょう。

 

 

中小企業における産業医の選任について

 

 

健康診断の実施義務に関連して、産業医を選任する義務の有無も確認しておきましょう。

 

産業医の選任義務は企業規模による

産業医の選任は企業規模によって異なり、従業員が50人未満の小さな会社は設置の義務はありません。具体的には、企業規模に応じて次のように定められています。

 

  • 従業員数 50 人以上 3,000 人以下の規模の事業場 ・・・ 1名以上選任
  • 従業員数 3,001 人以上の規模の事業場 ・・・ 2名以上選任

 

従業員数50人未満の小さな会社や中小企業には産業医の設置の義務はありません。しかし、従業員の健康管理を行うためにも、医師に健康管理を行わせるように努めなければならないと定められています。

 

また産業医を設置すると、従業員の健康保持や休職および退職の抑制などにも役立つため、小さな会社でも設置することをおすすめします。次項で産業医を選任した方が良い理由について詳しく解説するので、参考にしてください。

 

 

中小企業が産業医を選任した方が良い理由

中小企業が産業医を選任した方が良い理由として、休復職の判断をしやすくなったり、医師による面接指導を実施できたりすることが挙げられます。

 

従業員の休職や復職の判断をしやすくなる

 

従業員の休職や復職の判断について、産業医の精査を受けることができます。

 

産業医がいない場合、休復職者の主治医が提出した診断書をもとに休復職の判断を下すのが一般的です。しかし主治医は企業の働き方について熟知していないことも多く、的確な判断が下せないこともあります。

 

そこで産業医が主治医の診断書を精査して、それに対する意見書を提出することで、企業側と休復職者の双方が納得できる判断を下しやすくなります。

 

医師による面接指導を実施できる

 

長時間労働が常態化している事業所については、医師による面接指導を、必要な従業員に受けさせることが義務付けられています。

 

医師は対象の従業員に健康指導を行ったうえで、その指導内容を事業所に報告する必要もあります。このような場合に産業医を選任していれば、医師による面接指導から事業所への報告までの円滑な実施が可能です。

 

企業が健康診断を実施するときの産業医の役割は?計画から事後措置の流れを解説

 

 

産業医を紹介してもらう方法

産業医を紹介してもらう方法として、医師会や医療機関、健診団体への相談などが考えられます。

 

または産業医紹介サービスを利用するのも1つの手段です。産業医紹介サービスのなかには、健康診断とセットで産業医の依頼ができるサービスもあり、小さな会社でもお得に利用できる点が魅力です。

 

それぞれ紹介方法にメリットとデメリットがあるので、自社の状況に合わせた方法で産業医を紹介してもらうとよいでしょう。

 

次の記事では産業医を紹介してもらう方法について解説しているので、参考にしてください。

 

【初めての選任】産業医はどこにいる?紹介してもらう4つの方法

 

小さな会社が従業員の健康をサポートするメリット

 

 

健康診断の実施や産業医の選任について法律の取り決め上、単にやむを得ず取り組んではいないでしょうか。とくに小さな会社の場合、従業員の健康にコストを割く余裕がなく、なかなか積極的には取り組めない事情も考えられます。

 

しかし次のようなメリットがあるので、可能な範囲で健康サポートの充実を検討してみるとよいでしょう。

 

  • 生産性の向上
  • リスクマネジメント
  • イメージアップによる人材の確保

 

以上のメリットを再確認して、自社の従業員への健康サポートを見直してみてください。中小企業の事例も紹介するので、参考にしてください。

 

生産性の向上

従業員数が少ない企業では、従業員のそれぞれが健康を維持し、仕事のパフォーマンスアップを図れると、生産性の向上にも大きく寄与すると考えられます。その結果、企業の業績アップにもつながるため、健康経営に注力する意義は大きいといえるでしょう。

 

リスクマネジメント

小さな会社が従業員の健康サポートに力をいれることで、リスクマネジメントの効果も期待できます。

 

たとえば少人数になるほど各業務の担当者が病欠すると、代わりに業務を進める人材が不足して、生産性に影響が出るリスクがあります。

 

また業務が原因で従業員がメンタルヘルス不調に陥ってしまい、過労死や自殺などにつながると企業に対して賠償請求が行われるリスクもあります。従業員の健康に配慮することは、リスクマネジメントとしても有効です。

 

 

イメージアップによる人材の確保

企業が健康に注力することで、社内のイメージアップにつながります。小さな会社にとっては、ブランド力のある大企業に対抗して、自社の魅力をアピールする効果的な手段になるのではないでしょうか。

 

また健康に注力することで健康経営優良法人に認定され、さらなるイメージアップを図ることも可能です。

 

健康経営優良法人に関する情報は、次の記事を参考にしてください。

 

「健康経営優良法人2025」認定基準・メリット・申請法を解説

 

小さな会社でも健康診断は必須!産業医の選任は企業規模による

 

 

小さな会社でも健康診断は必ず行う必要があるので、従業員が1人でもいれば実施するようにしましょう。一方で産業医の選任については、50人未満の企業には義務化されていません。

 

しかし今後、従業員の健康をサポートして生産性の向上やリスクマネジメント、人材の確保を行っていきたい場合は、産業医を選任するのもおすすめです。

 

株式会社エムステージでは官公庁や大手・中小企業まで幅広くご活用いただいている、産業医紹介サービスをご提供しています。資料ダウンロードは無料ですので、ぜひお気軽にお役立てください。

 

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この記事の著者

サンポナビ編集部

サンポナビ編集部

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